美大入試,絵の具

美大や芸大に合格するためには専門知識や多数の合格者情報を持っている美術予備校や画塾に通うことが不可欠です。美術予備校や画塾はある意味特殊な世界であり、具体的にどんな場所なのか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで美術予備校に通った筆者の実体験を交えつつ、選ぶ際のポイントを解説していきたいと思います。

美大や芸大に合格するためには専門知識や多数の合格者情報を持っている美術予備校や画塾に通うことが不可欠です。美術予備校や画塾はある意味特殊な世界であり、具体的にどんな場所なのか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで美術予備校に通った筆者の実体験を交えつつ、選ぶ際のポイントを解説していきたいと思います。

ポイントその1:一人づつ講師からアドバイスが貰えるか


美術予備校や画塾では完成した作品を1箇所に集めて先生が講評(アドバイス)を行なっていきます。このとき、よく描けている作品が先生に選ばれ、真ん中に移動されます。真ん中のよく描けている作品から順に講評を受けられるのです。


先生1「もしかしてパイナップルの葉っぱの部分、質感の出し方がわからないな…と思って描いてなかった?迷いが出てるね。」

先生2「この卵、金属でできてるみたいだな!ワハハ!」

講評,デッサン 地獄のような時間だ…。

この講評がとても大切で予備校に行く理由の8割を占めていると言っても過言ではありません。絵のプロである先生から客観的なアドバイスを貰えるし、他の人の絵を見ることによって「この人メッチャ上手くなったな」や「自分はテーマをこんな風に捉えたけど別の捉え方もあるんだ」などと自分の立ち位置を知ることができるのです。

そう、講評会とはいわば入試の評価基準を知ったり、表現の幅を広げることのできる場所なのです。

生徒数の多い予備校では全員分の作品を講評していると時間がなくなってしまうため、よく描けている作品のみ講評をすることがほとんどです。講評を受けたかったけど作品が選ばられなかった!という人は授業が終わった後に自分で先生に聞きに行くしかありません。もちろん自分の他にも講評を貰いたい生徒がいるので先生の前できている列に並ばなければいけないし時間も限られてきます。

現役生は大体夕方から始まるコースに通うはずだと思います。学校で勉強し、そこから全力で絵を描いて、ヘトヘトになっている状態で、講評を貰いにいくか?おうちに帰るか?という選択肢があった場合、間違いなくおうちに帰るという選択肢が勝ちます。

塾,疲れる はやくオフトゥンに入りたいよね。

入試の評価基準を知るためにもできるだけ全員分の講評をしてくれる画塾に入りましょう。全員分の講評が聞けるかどうかは画塾のパンフレットに載っていないので体験授業に行って先生に聞いてみるか、画塾に問い合わせてみましょう。

ポイントその2:授業料


美大・芸大受験にはお金がかかるといわれています。上位の大学を目指すほど浪人率が高くなり、浪人した場合予備校の授業料がかさむからです。授業料は大きな予備校になるほど高くなる傾向にあります。個人経営の画塾は比較的料金が低く設定されています。美大・芸大受験にかかるお金の内訳は以下の通りです。

美大・芸大受験にかかるお金=授業料+講習費+画材代+材料費

講習費


授業料のほかに必要な講習費はなかなか見過ごせません。春期講習、夏期講習、冬期講習、直前講習を開講している予備校が多く、いくつかのコースの中から自分にあったものを選べます。
筆者は夏期講習、冬期講習、直前講習の昼間コースを受けて合計20万円ほどかかりました。(これでも少ないほうで、人によっては昼間・夜間コース両方受講していました。)

画材代


画材代は人によってかなり差が出ますが初期費用として3〜5万程度です。絵の具や鉛筆は最初少なめに買っておいて、必要になったら適宜買い足していくと良いと思います。目安としてアクリルガッシュ230円×50本、鉛筆100円×50本は最低でも必要です。

材料費


材料費とは果物などのモチーフ代と立体や色彩で使う紙や素材を購入する為のお金です。ほとんどの予備校はモチーフ代を授業料に含めていますが別に徴収している場合もありますので注意しましょう。また、筆者が通っていた予備校では紙や素材は各自購入でした。京芸を受験するなら1枚30〜50円のB3画用紙を一番多く使います。立体に使うケント紙は1枚60〜80円で100枚以上は使った記憶があります。

ポイントその3:大手美術予備校か個人経営の画塾、どっちがいい?


大手予備校か個人経営の画塾をどちらが優れている、と一口に言うのは難しいです。ぶっちゃけ個人の好みの問題だと思います。迷っている人はどちらも体験に行くことをおすすめします。
それぞれのメリット、デメリットをまとめました。

大手美術予備校に行くメリット

  • 生徒数が多いため、講評会の時に多くの作品が見れる
  • 参考作品が沢山あり、きめ細かく合格基準を理解できる
  • 志望校の学専門受験コースがある


大手予備校に行くメリットはたくさん作品を見れることです。前の項目で書いたように画塾は絵を上達させるだけでなく、表現の幅を広げる場所でもあります。大手予備校は生徒数が多く参考作品も多いため、どのような作品が合格したのか、という前例を知ることができます。

参考作品とは
課題の中で特にうまく描かれていたり独創的な表現をしている作品は画塾に保管され、後世の生徒のお手本となる。これが参考作品である。参考作品に選ばれることはとても名誉なことであり、予備校生は皆選ばれたいと思っていると言っても過言ではない。参作とも

また、「予備校内に画材屋が併設されていることが多い」というのも実は大きなポイントだったりします。
画材,美大受験 スチレンボードや蒸着シート、50cm定規に6Bの鉛筆……作品を作るのにはたくさんの道具や材料が必要です。そんなときに便利なのが予備校内に併設されている画材屋!授業で使う材料や道具は大体手に入ります。ホームセンターもビックリの品揃え。
蒸着シートとか、画材屋以外で売ってるの見たこと無いんだけど…

また、描いている途中に買い足したい絵の具や紙が足りなくなってしまったとき、サッと買いに行って授業に戻ってくることができます。
筆者は立体構成をしているとき、支給された材料を使い切ってしまうことが多かったので、画材屋の存在は大変ありがたかったです。
ちなみに筆者のオススメの画材屋は世界堂です

大手美術予備校に行くデメリット

  • 広告費にお金をかけているため、入学金や授業料が高い
  • 人数が多いので一人あたりの講評の時間が短くなりがち
  • 入試直前や講評後は先生に質問をしにいく人が殺到する


大手予備校は個人ではなくて会社が経営している場合が多いので、「会社」として「利益」を追求します。「利益」をあげるためには広告を作って人に来てもらわなければなりません。そのため、授業料がどうしても高くなってしまいます。(それでも総合大学を目指す予備校よりは安いことがほとんどです。)

個人経営の画塾に行くメリット

  • 知人の紹介で入塾する人が多く、広告費を抑えられるため授業料が安い
  • 先生の人数に対して生徒数が少ないので、きめ細やかな指導を受けられる


個人経営の画塾は京芸出身の先生が本業である作家の副業として指導している場合が多いです。
作家業の副業なので、純粋に「京芸に合格してほしい」という想いを持ち指導されている先生が多い印象です。
個人経営の画塾はなんといってもアットホームなところでしょう。人数が少ないため、先生と生徒の距離が近いです。集団で何かをすることが苦手な人にオススメです。

決められたカリキュラムを集団でこなす大手予備校とは違い、比較的自由度が高いので苦手な科目を重点的に勉強することができます。
画塾出身である筆者の友人は苦手な科目を先生に伝え、それを克服できるような課題を出してもらっていたようです。

個人経営の画塾に行くデメリット

  • 講評会のときに多くの作品を見れないため、技法や表現が独りよがりになることがある
  • 参考作品が少ない
  • 京芸を目指す人が大手予備校に比べて少ないため、今の実力がどれくらいなのかを理解するのが難しい


個人経営の画塾は1、2人の先生が指導するケースが多いです。そのため、どうしても講評の内容が偏ってしまいがちです。また、京芸を受験するのが自分だけの場合、実力を比較する相手がいないため、今の自分の立ち位置がわからなくなってしまうことも考えられます。なので個人経営の画塾に通いながら大手予備校の実技模試だけ受けに行く人もいます。

まとめ

美術予備校を選ぶコツ

  • 講評が全員受けられる予備校を選ぼう
  • 美大・芸大受験には授業料のほかにいろいろなお金がかかります。しっかりと計画を立てよう
  • 大手美術予備校か画塾に通うかは自分がどのように絵を描きたいのかを想像してみてそれに合う方を選ぼう

最終的に、志望校に合格できるかどうかはどの予備校や画塾に通うかではなく最終的には個人の実力です。筆者は大手予備校出身ですが、予備校に通ったことを後悔していません。
気になる予備校や画塾があるならぜひ体験にいってみましょう。そして先生だけでなく、生徒にも予備校や画塾の雰囲気を聞いてみましょう。